ガーデニングにあると便利な移植ごてとは?スコップとの違いや選び方をご紹介!

2025年10月21日

「これからガーデニングを始めたい」「庭の植え替え作業をもっとスムーズにしたい」と考えている方にとって、移植ごては欠かせない基本の道具です。しかし「スコップとどう違うのか」「種類が多くてどれを選べばいいか分からない」と悩む方も少なくありません。

移植ごては、小さな苗を植え付ける作業から、根を張った雑草の除去まで、幅広い園芸シーンで活躍する万能ツールです。本記事では、移植ごての基本的な定義や、その豊富な用途、そしてあなたの園芸スタイルに合った最適な移植ごてを見つけるための3つの選び方をプロの視点から解説します。

本記事を読むと、移植ごての選び方と使い方がマスターでき、毎日のガーデニング作業がより快適で楽しくなるでしょう。

マルトヨ編集部

移植ごてとは?

移植ごてとは?

移植ごては、主にガーデニングや家庭菜園で使用される片手で持つ小型のシャベル(スコップ)を指します。「ハンドスコップ」「ガーデンスコップ」などと呼ばれる場合もあります。

その名の通り、草花や野菜の苗を移植したり、球根を植え付けるための穴を掘ったりする作業を主な目的として設計されています。

移植ごてとスコップの3つの違い

一般的なスコップと移植ごての違いは、以下があげられます。

  • 形状の違い

移植ごては、一般的なスコップと比較して、刃先が細く尖っているものが多いため、狭い場所や鉢植えの中など、小回りの利く作業に適している。一方で、一般的なスコップは広範囲の土を掘り起こしたり、大量の土をすくったりするのに適した幅広い形状をしている

  • 主な用途の違い

スコップが主に広い範囲の土を掘ったり、耕したりといった大きな作業に使われる。一方で、移植ごては、苗の植え替えや、土の量の調整、肥料を混ぜる施肥など、繊細な作業に特化している

  • サイズ感の違い

移植ごての全長は、一般的に30cm前後と手のひらサイズでコンパクトなため、子どもや高齢者でも扱いやすく、長時間の作業でも疲れにくい。一方、土木や農業で使われる一般的なスコップやショベルの全長は、100cm前後(約80cm~110cm)が主流

移植ごてが活躍する5つの用途

移植ごてが活躍する5つの用途

移植ごては、苗の植え付け以外にも、さまざまな園芸作業で効率を劇的に高めてくれる便利なツールです。ここでは、移植ごての具体的な用途と、それぞれの作業で効率的に使うためのポイントを解説します。

1.苗の植え付け・移植

移植ごての基本的な用途は、以下があげられます。

  • 穴を掘る

苗の根鉢(ねばち)の大きさに合わせて、深さと幅を調整しながら土を掘り起こす

  • 深さの計測

目盛り付きの移植ごてであれば、球根などを植える際に深さを正確に測れるため、生育不良を防ぐ

2.鉢の土入れと植え替え作業

鉢植えやプランターに新しい土を入れる際や、古くなった土を掻き出す植え替え作業にも適しています。

  • スムーズな土入れ

移植ごての形状は、狭い鉢の縁に沿って土をこぼさずにスムーズに入れ込むのに最適

  • 鉢からの掘り出し

根詰まりした鉢から植物を掘り出す際にも、移植ごてで鉢の縁を沿うように土を崩すと、根を傷つけずに抜きやすくなる

3.硬い土の掘り起こしと土壌改良

庭の土が固く締まっている場合や、土壌改良のために肥料を混ぜ込む作業にも使用できます。

  • 土を耕す

柄から刃先までが一体の丈夫なステンレス製のものや、柄とコテの部分に角度がないストレートなタイプの移植ごては、硬い土を突き崩して掘り起こす作業に適している

  • 施肥・土壌改良

堆肥や肥料を土に効率よく混ぜ込む際にも、手軽なサイズで小回りが利くため、広範囲の作業でなければスコップよりも便利に使える

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4.根の深い雑草の除去

ギザ刃付きのタイプや先端が鋭い移植ごては、根の深い雑草を根ごと掘り起こして取り除く作業に非常に有効です。

  • 根切り

ギザ刃をナイフのように使って雑草の根を断ち切ると、抜き残しを防ぎ、除草の手間を減らせます。

  • てこの原理

雑草の根元に移植ごてを差し込み、柄を下げててこの原理を応用すれば、力を入れずに雑草を引き抜くことができます。

5.山菜掘りやキャンプでの利用

山菜掘りやキャンプでの利用は、移植ごての汎用性の高さを示す好例です。園芸用具としてだけでなく、アウトドアシーンでも非常に重宝されます。

山菜掘りでは、先端が鋭い移植ごてが土に食い込みやすく、根を傷つけずに山菜を掘り起こすのに役立ちます。また、キャンプでは、焚き火をする際の穴掘りや、灰を整える作業、バーベキューの後の後始末など、多目的に活躍するでしょう。

コンパクトで持ち運びやすいため、通常のスコップよりもアウトドアでの利用に適しており、専門の鍛冶屋が作る本格仕様のものは、硬い地面でも耐久性を発揮します。

失敗しない移植ごての3つの選び方

失敗しない移植ごての3つの選び方

移植ごては種類が豊富であるため、自分の用途や作業環境に合ったものを選びましょう。ここでは、失敗しないための3つの選び方のポイントを解説します。

1.使用する場所や土質に合わせた素材の選択

移植ごての耐久性や扱いやすさは、素材によって大きく変わります。

素材の種類

特徴

適した用途

ステンレス製

錆びにくく、手入れが簡単。耐久性が高く、硬い土にも使いやすい

庭の硬い土の掘り起こし、頻繁な使用、長く使う場合

スチール製(鉄)

頑丈で力が伝わりやすいが、錆びやすい。プロ仕様の本格的なものが多い

山菜掘り、プロの農作業、硬い根の切断など、パワーが必要な場合

プラスチック製

軽量で安価。小さな鉢や室内での作業、子どもの使用に適している

観葉植物の植え替え、柔らかい土での作業、手軽さを求める場合


屋外での使用頻度が高い場合は、ステンレス製を選ぶと錆びる心配が少なく、長持ちします。

2.作業効率を高める刃先の形状と機能

移植ごての刃先の形状や付属機能は、作業の快適さと効率に直結します。

形状・機能

特徴

主なメリット

剣先(とがった先端)

土に食い込みやすく、穴掘りや根切りに適している

硬い土でも少ない力で掘り進められる

角型(直線的な先端)

土をすくったり、ならしたりするのに適している

大量の土をこぼさずに移し替えやすい

目盛りつき

刃の部分に深さを測るメモリがついている

球根や種子を正確な深さに植えつけられる

ギザ刃つき

刃の片側または両側にギザギザの刃がついている

雑草の根を切りやすく、除草作業がスムーズになる


硬い土を扱うのが多い場合は剣先タイプ、植え替えが多い場合はギザ刃付きなど、用途に合わせて選ぶのがポイントです。

3.握りやすさと力を伝えやすい持ち手の形状

持ち手の形状は、作業時の手への負担や、力の伝わりやすさに大きく影響します。

  • 木製ハンドル

手になじみやすく、滑りにくい特徴がある。長時間の作業でも手が疲れにくいというメリットがある

  • 楕円形グリップ

鍬(くわ)などの農具と同じように、力を効率よく伝えるために握りやすい楕円形に設計されているものがある

  • D型・T型グリップ

一部の大型の移植ごてや、プロ仕様のものには、両手で力を入れやすいD型やT型のハンドルがついている場合がある

手の大きさや作業スタイルに合わせて、しっかりグリップできて、力を効率よく土に伝えられる持ち手を選びましょう。

農具・園芸用品の購入になら「マルトヨコーポレーション」

農具・園芸用品の購入になら「マルトヨコーポレーション」

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移植ごてとはでよくある3つの質問

移植ごてとはでよくある3つの質問

移植ごてとはでよくある質問をご紹介します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

質問1.移植ごてはなぜ「ごて」という名前なのですか?

移植ごての「ごて」は、左官(さかん)職人が壁を塗る際に使う道具である「こて(鏝)」に由来しています。鏝は、土やセメントなどの材料をすくったり、塗り付けたり、均したりするのに使われる道具です。

移植ごての形状や用途が、この左官鏝と似ており、土をすくう、植え付ける、土をならすといった作業に使うため「移植用の鏝」という意味で「移植ごて」と呼ばれるようになったと考えられています。現在では、英語の「trowel(ハンドシャベル)」の訳語としても使われています。

質問2.移植ごての手入れ方法は?

移植ごてを長持ちさせるためには、使用後の手入れが非常に重要です。まず、使用後はすぐに付着した土や泥をブラシや古布などでしっかりと取り除きましょう。

特に、土に含まれる塩分や酸は、錆びの原因になるため、水洗いをした後は、すぐに乾いた布で水気を完全に拭き取るようにしてください。スチール製など錆びやすい素材の場合は、乾燥後に油(椿油やミシン油など)を薄く塗っておくと、錆の発生を効果的に防げます。

また、刃先にギザ刃がついている場合は、土や細かな根が詰まりやすいので、特に入念な手入れを心がけましょう。

質問3.観葉植物の植え替えにも使えますか?

観葉植物の植え替えにも移植ごては非常に便利です。特に、鉢のサイズが小さい場合や、既存の植物の根を傷つけないように慎重に土を入れ替えたい場合に活躍します。

手のひらサイズの移植ごては、狭い鉢の内部でも小回りが利き、土をこぼさずに狙った場所に正確に入れられます。また、プラスチック製の軽量な移植ごては、室内での作業でも鉢を傷つけにくく、扱いやすいところがメリットです。

鉢から根を傷つけずに植物を掘り出す作業にも適しているため、観葉植物のメンテナンスを行う際には欠かせないツールです。

まとめ

まとめ

移植ごては、草花の移植や苗の植え付け、土の掘り起こしなど、ガーデニングや家庭菜園の基本的な作業を効率よく行うために必須の小型スコップです。スコップとの違いは、主に小回りの利くサイズと繊細な作業に適した形状にあります。

移植ごてを選ぶ際は「ステンレス製などの素材」「目盛りやギザ刃などの機能」「握りやすい持ち手の形状」の3点を確認し、ご自身の作業環境や用途に合ったものを選ぶことが、作業効率と道具の寿命を延ばすのに大切です。最適な移植ごてを選んで、快適で楽しいガーデニングライフを送りましょう。

なお、マルトヨコーポレーション株式会社は、家庭菜園やガーデニングに初めて挑戦する方におすすめの手軽な園芸用品から、農業を本格的に営むプロの方々が求める高品質な農具・資材まで、幅広く取り揃えている農具・園芸の専門商社です。豊富な品揃えに加えて、使いやすさや耐久性にこだわった商品が充実しており「庭づくりや農作業をもっと楽しく、もっと快適にしたい」という幅広いニーズにお応えします。

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マルトヨ編集部