古い土の再生方法は5ステップ|古い土がガーデニングに適さない理由を詳しく解説します!
ガーデニングを楽しみたい方で、土の再生方法について興味のある方もおられるのではないでしょうか。前作で使用した土をそのまま使用すると、植物が十分に育たない可能性があります。
本記事では、古い土がガーデニングに適さない理由や古い土の再生方法について解説します。また、土の再生でよくある質問についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
古い土がガーデニングに適さない5つの理由
まずは、古い土がガーデニングに適さない理由について解説します。
- 植物の根などのゴミが混ざっている
- 害虫や病原菌が潜んでいる
- 団粒構造が崩れて水はけが悪い
- 養分が失われている
- 連作障害が生じやすい
それぞれについて詳しくみていきましょう
1.植物の根などのゴミが混ざっている
古い土の場合、以前に栽培していた植物の根や雑草が紛れている場合が多いです。このようなゴミが混ざっていると、新しい植物が根を伸ばす際の障害となります。
とくに、雑草の種子が発芽すると、植物の成長に必要な養分が雑草に奪われてしまい、植物の成長を阻害するおそれがあります。そのため、新しく植物を栽培する際は、このようなゴミを取り除く作業が欠かせません。
2.害虫や病原菌が潜んでいる
ガーデニングを楽しんでいる方の多くの悩みが病害虫による被害です。過去に植物を栽培していた土は、目には見えなくとも、土壌病原菌に感染していたり、害虫の卵が眠っていたりします。
とくに、前作の植物がこれらの被害にあっていた場合は、その病害虫による被害が次の植物に移ってしまうリスクも考えられます。そのため、これらの病害虫による被害を防ぐためには、古い土を一度消毒しなければなりません。
3.団粒構造が崩れて水はけが悪い
団粒構造とは、土の粒が小さな塊を形成している構造です。この構造は、粒と粒の間に隙間があるため、水分をよく含み、保水性に優れています。さらに、排水性や通気性も兼ね備えているため、植物が生育しやすい条件が整っています。
しかし、植物を栽培した後の土の場合、土の粒子が細かくなっているため、空気のとおりや水はけが悪く、植物の生育に向いていません。
4.養分が失われている
植物が健康的に成長するためには、土のなかに根を伸ばし、土壌から養分を吸収する必要があります。しかし、古い土の場合は、有機物や肥料などの必要な栄養素が土のなかに残っておらず、植物の成長を促すことができません。
そのため、新しい植物を栽培する際は、土を再生し、失われた有機物や肥料などの養分を十分に含ませる必要があります。
5.連作障害が生じやすい
連作障害とは、ナス科であるトマトやピーマンなど、同じ「科」を続けて栽培する際に生じる障害を指します。原因としては、前作で使用した肥料により、土壌中の成分バランスが崩れたり、病害虫が発生したりすることが主な理由です。
連作障害は、露地や畑で発生する頻度の高い障害ですが、プランターや植木鉢の栽培で生じるケースも珍しくありません。この障害を防ぐためには、適切な肥料の管理や土壌の消毒が必要です。
古い土の再生方法は5ステップ
次に、古い土を再生する方法について解説します。
- 不純物を取り除く
- 土を消毒する
- 土壌改良材や堆肥などの有機物を混ぜる
- 緩効性粒状肥料を混ぜる
- 前作と異なる「科」を選んで植える
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.不純物を取り除く
まずは、古い土をよく乾燥させておきます。乾燥後に、土をビニールシートの上に広げ、目に見える茎は葉っぱなどを取り除きます。そして、土を荒目・中目・細目の順にふるいにかけてください。
荒目・中目のふるいで、手では取り除けなかったゴミを取り除きます。また、細目のふるいから落ちた土は、細かすぎて根詰まりの原因となるため必要ありません。細目のふるいに残った土だけが再生に利用できます。
2.土を消毒する
次に、細目のふるいに残った土を消毒していきます。消毒方法には大きくわけて2つのパターンがあり、冬と夏によって使いわけなければなりません。
夏は、土を容器に広げて湿らせ、黒いビニール袋をかぶせて直射日光に当てて消毒します。とくに、コンクリートの上に置くと地熱の効果があるため、おすすめです。
一方で、冬は土を容器に広げて、熱湯を土に万遍なくかけていきます。その後、屋外において寒さと霜にさらします。
3.土壌改良材や堆肥などの有機物を混ぜる
消毒後は、土壌改良材を混ぜ合わせるか、堆肥や腐葉土などの有機物を混ぜます。こうすることで、土のバランスを整えていきます。
有機物を混ぜ合わせる場合は、土の半分の量を目安にしてください。これにより、有用微生物が有機物を分解し、腐植(土壌中で動植物が不完全に分解してできる黒褐色の有機質)ができます。
この物質により、団粒構造が形成され、保水性や通気性が格段によくなります。
4.緩効性粒状肥料を混ぜる
次に、緩効性粒状肥料を混ぜ合わせます。古い土は、前作の影響により、土のなかの有機物や肥料が不足しています。このような土では、植物の成長に必要な養分を十分に吸収できません。
そのため、根の成長に伴って、肥料が徐々に溶けだす緩効性粒状肥料が不可欠です。土全体にこの肥料をしっかりと混ぜることで、不足している養分を補うことができます。
5.前作と異なる「科」を選んで植える
土の再生が完了した後は、植える植物にも注意しましょう。前述したとおり、前作と同じ「科」を選んで植えてしまうと、連作障害が発生しやすくなります。
しかし、「科」が異なる植物を植えると、土になかに集まる土壌微生物が異なるため、特定の微生物が増加しすぎるのを防ぐ効果があります。さらに、植物から放出される物資が、ほかの植物の生育を阻害する「アレロパシー」という現象の発生を防ぐことも可能です。
土の再生でよくある3つの質問
最後に、土の再生でよくある質問を紹介します。
- 質問1.古い土を廃棄する方法は?
- 質問2.畑の土を再生する方法は?
- 質問3.土の再生に酸性度の調整は必要?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.古い土を廃棄する方法は?
ガーデニングで使用した古い土を廃棄したい場合は、自治体のルールを確認するようにしましょう。これは、自治体によって、古い土の処分方法が異なるためです。
また、最近ではホームセンターで回収してくれるサービスもあります。店頭で土の回収ボックスを設置しているホームセンターも増えているため、最寄りのホームセンターに問い合わせてみるのも1つの方法です。
質問2.畑の土を再生する方法は?
畑の土を再生したい場合は、以下の手順で再生が可能です。
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土を掘り返す
畑の土を30cmほどの深さに掘り起こす。このときに、古い根や枯れ葉がある場合は手で取り除き、土の天地を返す
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土を空気にさらす
耕したままの状態で2週間ほど直射日光に当てる。これにより、病害虫の殺菌や殺虫が可能になる
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堆肥を混ぜる
苦土石灰と牛ふんなどの堆肥を加えて、酸度を中和する。この作業は、植え付けを実施する1週間ほど前までに済ませておくのが理想的
質問3.土の再生に酸性度の調整は必要?
栽培する植物によっては、酸性度の調整が必要になります。これは、植物によって、酸性の土を好むもの、アルカリ性の土を好むものとさまざまな品種があるためです。
もし、相性の悪い土で育てると、成長が遅いばかりか、実を実らせない可能性もあります。そのため、植物と相性のよい土を見極め、栽培の前に酸性度を調整しなければなりません。
まとめ
本記事では、古い土がガーデニングに適さない理由や古い土の再生方法、土の再生でよくある質問について紹介しました。
前作で使用した古い土には、植物の根などのゴミが混ざっていたり、病害虫が潜んでいる可能性があります。また、土の構造上も、通気性や水はけが悪く、植物の生育に向いていない可能性が高いです。
このような土では、植物が十分に成長できず、植物の成長を楽しむことができません。そのため、不純物の除去や消毒、土壌改良材などを加える作業が必要になります。ぜひ、この記事を参考に、土の再生にチャレンジしてみてください。
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