除草剤の効果的な使い方は3つ|散布するタイミングや使用する際の注意点も解説します!
除草剤の散布を検討している方で、効果的な使い方や適切なタイミングなどを知りたい方もおられるのではないでしょうか。除草剤には、液体タイプと粒剤タイプがあり、それぞれ特徴や使い方、タイミングが異なります。
本記事では、除草剤の効果的な使い方や散布するタイミングをご紹介します。また、使用する際の注意点やよくある質問なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
除草剤の種類と効果
まず、除草剤の種類と効果について解説します。
- 液体タイプ
- 粒剤タイプ
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.液体タイプ
液体タイプは、「茎葉処理型」ともいわれており、成長している雑草に対して効果的な製品です。雑草に直接散布することで、迅速な効果が期待できるのが特徴です。
また、液体タイプには、「接触型」と「移行型」の2種類があります。接触型は、薬剤がかかった部分のみを枯らすもので、特定の雑草をピンポイントで除去したい場合におすすめです。
一方、移行型は薬剤が葉や根から吸収され、雑草全体を枯らすため、広範囲の雑草除去に向いています。しかし、これから生えてくる雑草には効果がありません。
2.粒剤タイプ
土壌に撒く粒剤タイプの除草剤は、雑草の発芽を抑制するのに最適です。このタイプの除草剤は、撒いた後に土壌表面に薬剤層を形成するため、新たに生えてくる雑草の根や種に吸収されて効果を発揮します。
一般的には、撒いてから1週間ほどで効果が現れ、持続期間は3か月〜半年程度です。長期間雑草の発生を防げるため、雑草が生える前に予防的に使用するのが効果的です。
除草剤の基本的な使い方
次に、除草剤の基本的な使い方について解説します。
- 液体タイプ
- 粒剤タイプ
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.液体タイプ
液体タイプの使い方は、雑草が成長する時期である4〜10月に散布するのが理想的です。液体タイプには水で薄める「希釈用」と、そのまま使える「希釈済み(シャワータイプ)」があります。
希釈用は製品ラベルに記載されている希釈倍率で薄めて、噴霧器やジョーロで散布します。手間がかかりますが、広範囲に散布する場合は経済的です。
一方、希釈済み(シャワータイプ)は、そのまま使えて、ボトルを傾けて散布するだけの便利なタイプです。住宅周りや駐車場、お墓などの範囲が狭い場所では重宝しますが、広範囲に使用すると割高になります。
2.粒剤タイプ
粒剤タイプは、1㎡あたり10〜40g程度の量を撒くのが一般的です。もし、計量容器が付属していない場合は、自分の手で量りましょう。たとえば、成人が両手でお椀を作ると20g〜30g程度になります。
また、粒剤や粉タイプの除草剤は、最初から丁寧に撒き過ぎると薬剤が途中で不足する場合があります。少量でも効果がある商品が多いため、すべての範囲に均等に行き渡るよう注意しながら撒きましょう。
除草剤を散布するタイミング
次に、除草剤を散布するタイミングについて解説します。
- 液体タイプの散布時期
- 粒剤タイプの散布時期
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.液体タイプの散布時期
除草剤の適切な使用時期は、4月〜10月にかけて複数回散布するのが効果的です。この時期は雑草が成長しやすいため、葉や茎から吸収されるタイプの除草剤を使うと効果が高まります。
雑草が膝丈以上になる前に散布するのが理想的であり、この時期に散布しておけば、芝刈りや散布の手間を減らせます。梅雨時や夏場は、雑草が急速に成長するため、早めの対策を実施しましょう。
2.粒剤タイプの散布時期
粒剤タイプの除草剤は、2月〜3月と9月〜10月にかけて年に2回使用すると、土壌に成分が浸透し、雑草の発芽を防げるため、非常に効果的です。雑草が少ない時期の散布により、翌春や秋の雑草の発生を防げます。
ただし、雑草がすでに生えている場合は、効果が低減してしまうため、事前に草刈りをしてから使用するのがおすすめです。このように、適切な時期と方法による使用が、長期間にわたり雑草の発生を抑制するポイントです。
除草剤の効果的な使い方は3つ
次に、除草剤の効果的な使い方について解説します。
- 使用方法を守る
- 均一に散布する
- 希釈にはキレイな水を使用する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.使用方法を守る
除草剤のパッケージに記載された散布方法や希釈倍率を正確に守りましょう。希釈して使う液体タイプの場合、希釈倍率を間違えると、雑草が十分に枯れないだけでなく、除草剤を無駄に消費してしまいます。
粒剤タイプも同様で、雑草の種類や生育状況に応じて適切な量を散布する必要があります。適切な量を守らなければ、期待した効果が得られません。
2.均一に散布する
撒きムラがあると、雑草を完全に除去できず、一部が残ってしまう場合があります。除草したい場所全体に均等に行き渡るように意識しながら散布しましょう。
また、縦方向や横方向、S字を描くようにジグザグに散布する方法や、縦方向と横方向の両方で2回散布する方法を実践すると、撒きムラを減らせます。このように、散布方法に注意すれば、除草剤が全体に均一に広がり、効果を最大限に発揮できます。
また、手やジョーロで撒くよりも、噴霧器や散粒器を使用する方が、より簡単にムラなく散布できておすすめです。
3.希釈にはキレイな水を使用する
雨水やジョーロに残ったよごれた水を使うと、除草剤がよごれを吸着してしまい、雑草に散布する際に十分な効果を発揮できなくなる可能性があります。除草剤がよごれに吸着すると、薬剤が薄まり、雑草に対する効果が減少してしまいかねません。
また、よごれた水を使用すると噴霧器や散布器具の詰まりや故障の原因にもなるため、除草剤を希釈する際には、必ず清潔でキレイな水を使用するようにしましょう。
除草剤を使用する際の注意点は3つ
次に、除除草剤を使用する際の注意点について解説します。
- 近所への配慮を忘れない
- 除草剤散布用の服装に着替える
- 周囲の環境を確認する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.近所への配慮を忘れない
近隣の庭や畑に薬剤が飛散すると植物が枯れる可能性があるため、風の強い日の散布は避けましょう。また、屋外に干してある洗濯物や布団に薬剤が付着するのを防ぐため、事前に近隣の方々に使用予定を伝え、外干しを控えてもらうようにお願いするのが望ましいです。
さらに、安全性の高い除草剤を使用する場合でも、近隣の方々の不安を和らげるために、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
2.除草剤散布用の服装に着替える
除草剤が皮膚に触れると、痛みやかぶれを引き起こす可能性があるため、作業時には長袖・長ズボンを着用し、手袋やマスク、ゴーグルの装着が推奨されます。さらに、帽子や首にタオルを巻くと、露出を防げます。
靴は、足首が露出しないように長靴を選ぶと安心です。散布後には、衣類に除草剤が付着している可能性があるため、ほかの衣類と分けて洗濯し、手洗いやうがいも忘れずにしましょう。
3.周囲の環境を確認する
急な斜面での使用は避け、平坦な土地での使用を推奨します。斜面では薬剤が流れてしまい、周囲の植物や環境に悪影響をおよぼす可能性が高いためです。
斜面の草は土壌を固める役割を果たしているため、除草剤の使用によって根が枯れ、斜面が崩れて土壌が流出する危険性があります。そのため、斜面の雑草対策は除草剤ではなく、草刈りをするのが望ましいです。
除草剤の使い方でよくある3つの質問
最後に、除草剤の使い方でよくある質問について解説します。
- 質問1.除草剤の効果はいつからいつまで?
- 質問2.雨の日に除草剤を散布しても大丈夫?
- 周囲の環境を確認する質問3.除草剤の効果が出ない場合に考えられる原因は?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.除草剤の効果はいつからいつまで?
液体除草剤は即効性が高く、散布後1時間〜6時間で地面に浸透します。効果が持続する期間が短いため、効果が切れた後には同じ場所にほかの植物を植えられるのが特徴です。
液体除草剤は特定の植物のみを枯らし、土中の種子には影響を与えないため、放置すると2週間程度で再び雑草が生えてきます。一方、粒剤タイプの除草剤は即効性がないものの、散布後、約10日で浸透して、最大で半年間雑草を防げます。
質問2.雨の日に除草剤を散布しても大丈夫?
雨の前に除草剤を撒くと、粒剤は雨によって広がり、ほかの植物に影響を与えるリスクがあります。また、液剤は葉に浸透する前に雨で流れてしまう場合があります。
そのため、雨の予報がある日には、除草剤の散布を別の日に延期する方が賢明です。一方、雨が上がった後は土壌が湿っているため、粒剤の効果を発揮しやすくなります。
しかし、液剤は葉や茎が乾いた状態で散布するのが効果的です。
なお、雨の日に除草剤を使用する場合の注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:雨の日に除草剤は使っても大丈夫?効果的な撒き方や雨の日に使用する場合の注意点をご紹介! – マルトヨコーポレーション
質問3.除草剤の効果が出ない場合に考えられる原因は?
除草剤を使用しても効果が出ない場合、以下の原因が考えられます。
- きちんと散布できていない
散布が十分に行われていない場合、効果が期待できない。たとえば、液体タイプの除草剤は葉や茎に直接散布しなければならないが、地面に撒いていると効果を発揮できない
- 葉や希釈水がよごれている
除草剤を薄めるための水や散布する葉がよごれている場合も効果が減少する。不衛生な水や濁った水を使用すると、除草剤がよごれに吸着し、雑草に十分な効果を与えられない
まとめ
本記事では、除草剤の効果的な使い方や散布するタイミング、使用する際の注意点をご紹介しました。
液体タイプは、すでに成長している雑草に対して効果的な除草剤です。特定の雑草をピンポイントで除去する接触型と広範囲の雑草を除去する移行型があります。希釈して使用する液体タイプは、パッケージに記載している希釈倍率を確認し、清潔でキレイな水で希釈しましょう。
一方、粒剤タイプは、雑草の発芽を抑制するのに最適で、最大半年間効果が持続します。散布する場合は、近隣への配慮を忘れないように注意しましょう。
それぞれのタイプで散布するタイミングや使い方、注意点が異なるため、パッケージに記載している使用方法をしっかり確認するようにしましょう。
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