雨の日に除草剤は使っても大丈夫?効果的な撒き方や雨の日に使用する場合の注意点をご紹介!
除草剤を散布するタイミングがわからない方や雨の日に散布して大丈夫なのか心配な方もおられるのではないでしょうか。除草剤は、使用方法を守って散布しないと、土や周辺の環境、人体に悪影響をおよぼす可能性があります。
本記事では、雨の日に除草剤は使用できるのかという疑問について解説します。また、効果的な撒き方や雨の日に使用する場合の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
雨の日に除草剤は使っても大丈夫?
雨の日に除草剤を使用するのは、効果を減少させる原因となります。「バスタ」を含む多くの除草剤は、散布後に雨が降ると効き目が弱まります。
また、降雨中に除草剤を使用すると、薬剤が流れて目的の範囲外に広がり、周辺の植物に影響をあたえかねません。このため、除草剤を使用する際は天気予報を確認し、晴れ間の続く乾燥した時期に実施するのがおすすめです。
除草剤の主なタイプは3つ
次は、除草剤の主なタイプについて解説します。
- 液剤タイプ
- 粒剤タイプ
- ハイブリッドタイプ
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.液剤タイプ
液剤タイプの除草剤は、素早く効果を発揮するため、2〜3日で雑草を除去できます。しかし、除草剤が乾く前に雨が降ると、効果が薄れてしまうため、乾燥時間の確認が不可欠です。
除草剤が完全に乾いた後であれば、雨が降っても問題ありません。また、液剤タイプの除草剤には、そのまま使えるものと希釈するものがありますが、どちらも葉から吸収されるため、土壌に影響はありません。
周囲の植物に影響をあたえずに雑草を取り除きたい場合には、液剤タイプの使用が適しています。
2.粒剤タイプ
粒剤タイプの除草剤は、乾燥した粒の形状をしており、土壌に直接撒けるタイプの製品です。このタイプの除草剤は、土に散布すると、雑草の根から成分を吸収させ、雑草を枯らします。
また、地中の種子やこれから生えてくる雑草にも効果があるため、一度の散布で広範囲の雑草を除去でき、効果が長期間持続します。ただし、傾斜地や散布後に新しい植物を植えたい場合には適しておらず、周囲に農地がある場合には影響を考慮して使用を避けましょう。
さらに、強い雨や強風の日には、薬剤が流れ出しほかの植物に悪影響をあたえる可能性があるため、注意が必要です。粒剤タイプは、広範囲の除草が必要な場合や長期間の除草効果を求める場合に最適です。
3.ハイブリッドタイプ
ハイブリッドタイプの除草剤は、液剤と粒剤の特徴を組み合わせた製品で、葉や茎、土壌に直接作用します。このため、既存の雑草だけでなく、これから生えてくる雑草に対しても高い効果を発揮します。
しかし、雨天時には薬剤が流れやすく、効果が減少する可能性があるため、使用するタイミングには注意が必要です。また、雑草を完全に除去するだけでなく、土壌に影響をおよぼすため、農地や傾斜地、または植物を植える予定がある場所では使用を避けてください。
除草剤を効果的に撒く3つのポイント
次は、除草剤を効果的に撒くポイントについて解説します。
- 使用方法を守る
- 均一に散布する
- 汚れていない水で希釈する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.使用方法を守る
除草剤を使用する際には、製品のラベルに記載された指示を必ず確認し、適切な方法で使用してください。液体タイプの除草剤は、適切な希釈倍率で葉や茎に散布すると最大の効果を発揮します。
しかし、希釈倍率を誤ると、効果が減少するだけでなく、無駄に除草剤を消費してしまう可能性があります。一方で、粒剤タイプは土に直接散布するため、雑草の種類に応じて散布量を調整しましょう。
2.均一に散布する
除草剤を効果的に撒くためには、均一に散布する必要があります。まず、除草剤の濃度と水の割合を正確に計量し、均一に混合します。次に、散布機器を使用する場合は、ノズルの調整を行い、均一な噴霧量を確保しましょう。
また、手動で撒く場合でも、一定の速度で移動しながら、均等な量を撒くよう心がけてください。さらに、風のない穏やかな日に散布すれば、除草剤が飛散するのを防ぎ、均一な効果を得られます。
3.汚れていない水で希釈する
汚れた水や雨水を使用すると、除草剤がその汚れを吸着してしまい、雑草に効果的に作用しなくなります。ジョーロや容器に残ったよごれも同様の問題を引き起こす可能性があるため、使用前にしっかりと清掃しておきましょう。
最適な効果を得るためには、常に清潔な水を使用して除草剤を希釈し、雑草に均等に散布するよう心がけてください。
雨の日に除草剤を使用する方法
次は、雨の日に除草剤を使用する方法について解説します。
- 準備物
- 撒くタイミング
- 撒く場所
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.準備物
雨の日に除草剤を使用する際の準備物としては、防水性のある作業服やレインコート、長靴、防水性の手袋が必要です。また、粘着性の高い除草剤を選び、風に強い散布機や手動スプレーヤーを使用します。
散布機には防水カバーを装着し、予備の除草剤も用意しておくと安心です。作業エリアの水はけを確認し、水たまりは避けるようにしてください。また、散布後は機器と手足をしっかり洗浄し、健康と安全を守りましょう。
2.撒くタイミング
雨の日に除草剤を撒くタイミングは、小雨の時や降雨前の30分〜1時間以内が最適です。この時間帯に散布すると、除草剤が植物に吸収されやすく、効果が高まります。
降雨後も、地面が湿っている状態で散布すると吸収が良くなりますが、土壌が過度に水分を含んでいる場合は避けてください。強い雨のなかでは除草剤が洗い流されるため、散布を控えるべきです。事前に天候予報を確認し、適切なタイミングを選びましょう。
3.撒く場所
粒剤タイプの除草剤は、土壌に浸透して雑草を根から駆除するため、雑草のみが生えている場所に適しています。雨の日に使用すると、除草剤が広範囲に拡散する可能性があるため、注意が必要です。
一方、液剤タイプの除草剤は、植物の葉や茎にかけると効果を発揮します。このタイプの除草剤は、特定の雑草にピンポイントで使用できるため、ほかの植物が生えている場所でも安全に使用できます。
雨の日に除草剤を使用する場合の注意点は5つ
次は、雨の日に除草剤を使用する場合の注意点について解説します。
- 取扱説明書を確認する
- 保護メガネやマスク、手袋を使用する
- 近くに川や田んぼがある場所では使用しない
- 草の高さは30㎝以内に切る
- 地面がぬかるんでいるときは使用しない
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.取扱説明書を確認する
除草剤を使用する際は、雨の日だけでなく晴れの日でも取扱説明書を必ず確認しましょう。適切な濃度と量で均一に散布するのが、効果的な除草のポイントです。
吸収型葉茎散布剤や土壌処理型の除草剤は、雨による影響を受けやすいため、天気予報を確認し、雨の降る前後の時間帯を避けて散布するのがおすすめです。また、除草剤の種類によって適用場所や適用雑草、効果に違いがあるため、正確に使用するためにも説明書をよく読みましょう。
2.保護メガネやマスク、手袋を使用する
雨の日に除草剤を使用する際は、安全対策として保護メガネ、マスク、手袋の着用が必須です。保護メガネは、飛散する液体から目を守ります。
また、マスクは、除草剤の吸入を防ぎ、健康被害を防止します。さらに、防水性の手袋を使用すれば、皮膚への接触も避けられて安全です。これらの装備により、除草剤が体内に入るリスクが減少し、安全に作業できます。
3.近くに川や田んぼがある場所では使用しない
自宅から2m以内に川や田んぼがある場合、雨で除草剤が流出しやすく、周囲の生態系や農作物に深刻な影響をおよぼしてしまいます。除草剤の強力な成分は、水中のいきものを殺傷し、田んぼの稲や野菜の品質を損なう可能性があります。
さらに、強力な除草剤は樹木にもダメージをあたえ、枯れる原因にもなるため、樹木がある場所でも除草剤の使用は避けましょう。
4.草の高さは30㎝以内に切る
雨の日に限らず、背丈が高すぎると薬剤の吸収が遅れ、効果が薄れてしまいます。そのため、土壌処理型や吸収型葉茎散布剤を使用する場合、雑草は20~30cm程度に刈り揃えましょう。
一方、茎葉処理型の除草剤は、100cm程度の長めな雑草にも効果が期待できますが、短く刈ってから使用する方が効果を発揮しやすくなります。
5.地面がぬかるんでいるときは使用しない
雨の日に除草剤を使用する場合でも、地面がぬかるんでいる状態での散布は避けるべきです。ぬかるんだ地面では、除草剤が均一に浸透しにくく、効果が低下します。また、過剰な水分により除草剤が流れてしまい、意図しない場所に影響をおよぼす可能性があります。
さらに、泥で足元が不安定になると、作業の安全性も損なわれかねません。適切な散布のためには、地面が適度に乾燥している状態を待つか、小雨が続く程度の条件を選びましょう。
雨の日の除草剤でよくある3つの質問
最後に、雨の日の除草剤でよくある質問について紹介します。
- 質問1.散布後に雨が降って効果が心配な場合はどうするべき?
- 質問2.除草剤の効果はいつ現れる?
- 質問3.風が強いときに散布してもいい?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.散布後に雨が降って効果が心配な場合はどうするべき?
除草剤を散布した後に雨が降ってしまった場合は、以下の対応が必要です。
- 効果発現期間まで待つ
除草剤を散布してからすぐに雨が降っても、すぐに再散布するのは避ける。取扱説明書に記載された効果発現期間が過ぎるまでは、状況を見守る
- 先走らない
効果が出るまでの期間に焦って再散布すると、不要な手間とコストがかかる可能性がある。さらに、除草剤の種類によっては土壌に負担をかけるため、慎重な対応が必要となる
- 正しい方法で再散布する
効果発現期間を過ぎても明らかに効果がない場合、取扱説明書に従い正しい方法で再散布を検討する。その際は、除草剤の使用回数の上限を確認して、正確に散布しなければならない
質問2.除草剤の効果はいつ現れる?
除草剤の効果が現れるタイミングは、使用するタイプによって異なります。主なタイプごとの違いについては以下のとおりです。
タイプ |
効果の発現 |
効果の持続 |
液体 |
約3~5日後 |
持続効果はない |
粒剤(顆粒) |
約1~2週間 |
約4か月~半年 |
液体タイプの除草剤は葉や茎から直接吸収され、効果の発現が速いのが特徴です。しかし、液体タイプは散布した雑草のみを枯らすため、土のなかの種子には効果がありません。
そのため、1〜2週間程度で土のなかにあった種子や新たに飛来した種子が発芽し、再び新しい雑草が生えてくる可能性があります。
一方で、粒剤タイプの除草剤の特徴は、即効性はないものの、効果の持続性が高い点にあります。そのため、土壌内で成分が広がると周辺の植物にも影響をおよぼす可能性があり、近くに花や樹木、野菜などの植物がある場合は注意が必要です。
質問3.風が強いときに散布してもいい?
風が強い日には除草剤を撒かないようにしましょう。風が吹くと除草剤が予期せぬ場所に飛散し、思わぬ被害をもたらす可能性があります。
近くに大切な植物や作物がある場合には、風のない日を選んで散布するのがおすすめです。また、自分自身に除草剤がかかってしまうリスクも高まるため、安全面でも注意しましょう。このため、晴天や曇りの日で風が穏やかな状態を選ぶようにしてください。
まとめ
本記事では、雨の日に除草剤は使用できるのかという疑問や効果的な撒き方、雨の日に使用する場合の注意点について解説しました。
雨の日には、効果が薄れる可能性が高いため、除草剤を散布するのは控えましょう。さらに、薬剤が流れて目的の範囲外に広がり、周辺の植物に影響をあたえてしまう可能性があります。
また、取扱説明書をしっかり読み、適切な使用方法を守りましょう。さらに、周辺に田んぼや川、畑などがある場合は悪影響をおよぼす可能性があるため、除草剤の使用は避けなければなりません。
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