【種類別】鍬の使い方|選ぶ際のポイントや手入れと保管方法まで詳しく解説します!
鍬は、農作業や家庭菜園に欠かせない道具です。それぞれの種類によって用途や特徴が違うため、正しい鍬の選び方を理解する必要があります。
本記事では、鍬の主な種類や選ぶ際のポイント、種類別の使い方について解説します。また、使用する際の注意点や保管方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
鍬(くわ)とは?
鍬は、長い柄の先に平らな刃が取り付けられた道具で、土を耕す農作業に欠かせない道具の1つです。畑の耕作から土ならし、草取りや畝作りなどの多岐にわたる作業に対応しています。
主に使用されるのは平鍬で、刃が60~80度の角度で柄に取り付けられており、畑の耕作や草取りに最適です。また、唐鍬や備中鍬など、用途に応じたさまざまな種類が存在し、それぞれに使用方法が異なります。
鍬の主な種類は3種類
次は、鍬の主な種類について解説します。
- 平鍬(ひらぐわ)
- 備中鍬(びちゅうぐわ)
- 唐鍬(とうぐわ)
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.平鍬(ひらぐわ)
参考:marutoyo 平鍬 ステンレス|マルトヨコーポレーション
平鍬は、先端が平らな長方形の一枚刃で構成されており、鍬のなかではスタンダードな形状になります。この種類の鍬は、浅い土をすくうのに適しており、畑を耕したり、野菜を収穫する際に役立つため、家庭菜園といった日常的な作業におすすめです。
また、粘土質なやわらかい土を扱う際には、平鍬が非常に有効です。このため、畑を耕すだけでなく、畝立てや土寄せ、草取りなどの作業でも活躍します。
2.備中鍬(びちゅうぐわ)
備中鍬は、固い土や粘土質の地面を効率的に掘り起こすために設計された農具です。先端が3本から4本の刃にわかれており、土を砕いたりほぐす作業が効率的にできます。
さらに、ほかの鍬と比べて刃先が尖っているため、固い地面でもスムーズに作業を進められます。なお、備中鍬の歴史は古く、17世紀~18世紀の江戸時代に広く普及しており、農業生産の向上に大きく寄与しました。
3.唐鍬(とうぐわ)
唐鍬は、平鍬と比べて金属部分が厚くて頑丈なのが特徴です。固い地面を耕すのに最適なため、荒れ地の開墾や重作業に適しています。
さらに、木の根を切断する作業も可能なため、山林での使用にも役立ちます。また、家庭菜園では、土が締まっている粘土質の地面や、寒い時期の土壌改良(寒起こし)にもおすすめです。
この種類の鍬を使用すれば、硬くなった地面をしっかりと耕すことができ、栽培環境を整えることが可能です。
鍬を選ぶ際のポイントは3つ
次は、鍬を選ぶ際のポイントについて解説します。
- 柄の長さ
- 柄の太さ
- 刃や柄の材質
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.柄の長さ
鍬の柄の長さは、使用環境に応じて最適なものを選びましょう。たとえば、座って作業する際には短い柄の鍬が適しており、立って作業する際には長い柄のものが便利です。
また、立って作業する場合に、短い柄の鍬を使うと腰に負担がかかる可能性があります。なお、柄の長さを調節できるタイプのものもあり、さまざまな作業に使用したい方におすすめです。
2.柄の太さ
ガーデニングや農作業では、長時間にわたって道具を使用する場合が多いため、手に馴染む適切な太さのものを選ぶことが大切です。握りが太すぎると手が疲れやすくなり、逆に細すぎると握りづらく感じます。
このため、自分の手にぴったり合う太さの柄を選ぶと、作業の効率が上がり、手の疲れも軽減されます。最適な道具選びは、作業の質にも大きく影響するため、慎重に選ぶようにしましょう。
3.刃や柄の材質
鍬の刃には、ステンレスやアルミ、鉄、木などの異なる材質が使用されています。とくに、ステンレス製の刃は錆びにくく、軽量で土が付きにくいため、人気があります。
また、アルミ製の柄は軽量で初心者でも扱いやすく、疲れにくい点が特徴です。木製の柄は重さがあり、硬い土をしっかり耕せます。このような材質ごとの特徴を理解し、用途に応じて最適な鍬を選ぶようにしてください。
【種類別】鍬の使い方
次は、種類ごとの鍬の使い方について解説します。
- 平鍬の使い方
- 備中鍬の使い方
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.平鍬の使い方
平鍬は、刃の重さを利用して土に刃先を入れ、手前に引くようにして土を削ると、効率的に土を耕せます。持ち方としては、利き手を前にして柄の真んなかあたりを握り、もう一方の手で柄の端部を持ちます。
また、深く突き刺して耕そうとすると、身体に負担がかかるだけでなく、テコの原理で刃が曲がる可能性があるため注意が必要です。平鍬は、深く耕す作業には向いていないため、表面の土を整える程度の作業に使用しましょう。
2.備中鍬の使い方
備中鍬の使い方も平鍬と似ており、利き手を前に、もう一方の手で柄の端部を持って操作します。土を耕す際は、腕の力に頼らず、刃の重さを利用して、自然に落とす動作を心がけるようにしましょう。
作業中は、塊状の土を細かく崩しながら、空気を入れるように耕すと効率的です。これにより、土壌の通気性が向上し、植物の根が伸びやすくなります。
鍬を使用する際の注意点
鍬を使用する際の注意点は、以下のとおりです。
- 刃先を素手で触らない
鍬の刃先は鋭利なため、素手で触ると怪我につながる。作業する際は、手袋や軍手を装着し、むやみに刃先を触らないようにする
- 鍬に無理な力を加えない
無理に力を入れると鍬が壊れるだけでなく、自分自身も怪我をする可能性がある。そのため、適度な力加減で作業するように心がける
- 柄の先を持たない
柄の先を持って作業すると腕の力が必要になり、身体を痛めてしまう可能性がある。正しい持ち方は、利き手を前にして、もう一方の手で柄の真んなかあたりを握るの望ましい
- 周囲の安全に気を配る
作業中は周囲に人がいないか確認し、誤って鍬を振り回して怪我をさせないように注意する
鍬の手入れと保管方法
次は、鍬の手入れと保管方法について紹介します。
- 使用後はよごれや水分を落とす
- 風通しのよい冷暗所で保管する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.使用後はよごれや水分を落とす
使用後には、水洗いをして泥やよごれをしっかり落としましょう。泥と水分が残ったまま放置すると、サビが発生しやすくなります。
また、泥にはカビや細菌が潜んでいる可能性があり、別の畑で使用した際にその細菌がほかの作物に移るリスクもあるため、よごれを完全に落とすことが大切です。よごれを落とした後は、水分をしっかり拭き取り、風通しのよい日陰で乾燥させます。
さらに、鍬は使用しているうちに徐々に劣化します。刃が錆びたり、切れ味が悪くなったりした場合は、定期的に研ぎ直しや交換しましょう。
2.風通しのよい冷暗所で保管する
使い終わった鍬を保管する際は、風通しのよい冷暗所に置くようにしましょう。直射日光が当たる場所では、柄が歪む場合があり、湿度が高い場所では金属部が錆びるリスクがあります。
また、頻繁に使用する場合でも、気温や雨、紫外線などの影響を受けにくくするために、屋外に置かず、室内で保管してください。さらに、刃の部分を新聞紙などで包むと、錆びを防げます。
鍬の使い方でよくある3つの質問
最後に、鍬の使い方でよくある質問について紹介します。
- 質問1.鍬と鋤(すき)の違いは?
- 質問2.鍬はどこで購入できる?
- 質問3.鍬の手入れ方法は?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.鍬と鋤(すき)の違いは?
鋤(すき)は、農業で使用されるスコップに似た形状の道具です。鋤の刃は「鍬(くわ)」のように深く、柄と一直線になっている形状が一般的で、深く耕す作業や固い土壌の耕うんに適しています。
鋤の使用方法はスコップと似ており、足をかけて体重を利用して土に刃を深く差し込みます。スコップで十分に代用できる場合は、鋤を使用する必要はありませんが、固い土壌の耕うんには鋤の使用がおすすめです。
質問2.鍬はどこで購入できる?
鍬を購入する際には、ホームセンターや園芸用品店、オンラインショップの利用が便利です。それぞれの購入先には特徴があり、使い分けると最適な商品を見つけられます。
ホームセンターでは、多種多様な鍬を実際に手に取って比較でき、専門スタッフの助言を受けながら選べます。また、園芸用品店は園芸用の鍬に特化しており、スタッフの専門知識を活かしたアドバイスが魅力です。
一方、オンラインショップでは、多数のレビューやランキングを参考にしながら、手軽に価格比較ができるため、理想の鍬を自宅でじっくり選べる点がメリットです。
なお、園芸用品でおすすめの通販サイトは、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:園芸用品でおすすめの通販サイト10選|選び方のポイントやよくある質問を紹介します!
質問3.鍬の手入れ方法は?
鍬は使用を重ねると刃が摩耗するため、定期的に研ぐ必要があります。刃は通常、2本のボルトとナット、またはクサビで固定されているため、これらを緩めて、刃を取り外して専用の砥石で研ぎましょう。
しかし、刃が大きく歪んだり、深刻なサビが生じた場合には、刃の交換が必要です。また、使用中にクサビや柄が緩む場合、放置すると事故の原因となるため、定期的に緩みを確認し、必要に応じて交換するようにしてください。
また、ホームセンターでは交換用の柄やクサビが販売されており、DIYでの交換が可能です。購入時には、使用中の鍬のサイズを確認しておきましょう。
まとめ
本記事では、鍬の主な種類や選ぶ際のポイント、種類別の使い方、使用する際の注意点、保管方法について解説しました。
鍬の種類には、平鍬や備中鍬、唐鍬の3つがあります。鍬を選ぶ際のポイントとしては、柄の長さ、柄の太さ、刃や柄の材質が挙げられ、作業に応じて最適な鍬を選ぶことが大切です。
平鍬は浅い土をすくう作業に適しており、備中鍬は粘土質の土や固い地面を砕くのに向いています。唐鍬は重作業に強く、荒れ地の開墾などに使用されるのが一般的です。鍬を使用する際は、適切な姿勢と力加減を心がけ、無理な力を加えないようにしましょう。
また、使用後はよごれや水分をしっかり落とし、風通しのよい冷暗所で保管すると、サビや劣化が防げるため、鍬を長持ちさせられます。
なお、マルトヨコーポレーション株式会社は、農具・園芸の総合商社として、初心者用商品からプロの方にご満足いただける商品まで、幅広い商品を取り扱っています。