ずっと咲き続ける花といわれている多年草とは?|選び方やよくある質問を詳しく解説します!
ガーデニング初心者の方で、多年草について詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。多年草にはさまざまな種類があるため、工夫により庭が彩り豊かな空間に仕上がります。
本記事では、多年草の概要や選び方について解説します。また、おすすめの多年草15選やよくある質問についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ずっと咲き続ける花といわれている多年草とは?
多年草は、年を追うごとにその姿を豊かに変える植物です。一度植えると、年々株が大きくなり、豊かな花を咲かせます。
これらの植物は、メンテナンスも比較的容易であり、ガーデニング愛好家の人たちからも人気が高い植物です。また、季節に応じて多年草と一年草を組み合わせると、年間を通して変化に富んだ美しい庭に仕上がります。
多年草の選び方
次に、多年草の選び方について解説します。
- 開花時期で選ぶ
- 花の色で選ぶ
- 草丈や草姿で選ぶ
- 耐寒性で選ぶ
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.開花時期で選ぶ
一年草は長期間にわたって花を楽しめる種類が多いですが、多年草は開花期間が短いものがほとんどです。しかし、アネモネやエリゲロンのように、季節に複数回花を咲かせる種類もあります。これらは開花期が短くても、何度も花が咲くため、長期間にわたって庭を彩ります。
したがって、庭を華やかに保ち続けたい場合は、開花時期や花の特性を考慮して多年草を選ぶようにしましょう。
2.花の色で選ぶ
多年草は花色が控えめなものが多いため、上手に活用することが大切です。たとえば、春に咲くパンジーとビオラの鮮やかな色合いに合わせて、似た色の多年草を選ぶと、統一感のある美しい空間を作ることが可能です。
このように、同色系でまとめれば落ち着いた印象の庭に仕上がります。一方で、黄色と紫、赤と緑、青とオレンジなど補色を使った組み合わせは、互いの色を際立たせ、活気ある印象を与えられます。
3.草丈や草姿で選ぶ
植物に高低差をつけることで、それぞれの植物が持つ美しさが際立ちます。たとえば、背景には草丈の高い植物を、前景には低めの植物を配置すると、視線が自然に動き、全体的にバランスを取ることが可能です。
このように、草丈が異なる植物を上手に組み合わせると、立体感のある魅力的な空間が生まれます。
また、植物の姿もさまざまです。直立する植物、球形にまとまる植物、地面を這うように広がる植物など、それぞれが異なる表情を見せます。
これらを上手に組み合わせることで、単調になりがちな花壇にリズムや動きが生まれます。
4.耐寒性で選ぶ
耐寒性が強い植物は厳しい冬を乗り越え、春になれば再び美しい花を咲かせます。しかし、耐寒性が弱い植物を寒冷地で植えると、冬を越えられずに枯れてしまうリスクがあります。
たとえば、九州のような暖地であれば問題なく越冬できる多年草も、北海道のような寒冷地では冬を越すことができません。そのため、庭植えを考えている場合は、地域の気候に適した耐寒性を持つ多年草を選ぶことが大切です。
おすすめの多年草15選
次に、おすすめの多年草を紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.シャクヤク
参考:ほったらかしで毎年咲く花。ガーデニング初心者でも育てやすいおすすめの植物 | 子育て育児のお役立ち情報サイト|ママのためのMaMarché
シャクヤクは冬季には地上部が枯れてしまいますが、春になると再び美しい花を咲かせるのが特徴です。根は冬の間も土のなかで生き続け、暖かい季節が訪れると新たな生命を吹き込みます。
また、シャクヤクにはさまざまな品種があり、一重咲きから豪華な八重咲きまで、さまざまな形状の花が楽しめるのが特徴です。とくに、八重咲きのシャクヤクは、切り花としても人気が高く、一輪だけで室内を華やかに演出できます。
2.ベロニカ・オックスフォードブルー
参考:植えっぱなしで毎年開花!庭や花壇におすすめの宿根草(多年草)45選 | LOVEGREEN(ラブグリーン)
ベロニカ・オックスフォードブルーは、その鮮やかな青色の花が特徴の多年草で、ガーデンに美しいアクセントを加えます。
この品種は成長が早く、丈夫で手間がかからないため、ガーデニング初心者にもおすすめです。一度植えると、毎年美しい花を見せてくれるため、長期間にわたってガーデンの彩りを楽しめます。
3.オステオスペルマム
参考:宿根草(多年草)おすすめ20選|植えっぱなしで毎年咲く花 | マチュアリスト
オステオスペルマムは、次々と花を咲かせ、晴れた日にはその美しさを存分に発揮します。夜や曇りの日には花を閉じる習性がありますが、最新の品種には花が閉じにくいものもあり、長時間美しさを楽しめます。
さらに、スプーン形の花弁を持つユニークな品種や多彩な色のバリエーションが魅力です。オステオスペルマムは常緑性でありながら、耐寒性が弱いため、寒冷地では冬越しに注意しましょう。
4.クレマチス
参考:クレマチス(テッセン)とは?育て方・栽培方法 | LOVEGREEN(ラブグリーン)
クレマチスは、季節によって一度だけ花を咲かせる品種もあれば、年に複数回も花を楽しませてくれる品種もあります。この植物は、鮮やかなブルーや紫、暖かみのある赤、黄色、ピンクといった多彩な花色を持ち、大輪のものから繊細なベル形のものまで、さまざまな花形が存在します。
また、日光を好み、風通しが良い場所でよく育つのが特徴です。さらに、木立性や落葉性、常緑性といった異なる性質を持つ品種もあり、ガーデニングの幅を広げてくれます。
5.ハナニラ(イフェイオン)
参考:宿根草(多年草)おすすめ20選|植えっぱなしで毎年咲く花 | マチュアリスト
ハナニラは色のバリエーションが豊富で、白や青、ピンクなどのさまざまな花の色が楽しめます。この植物はネギ科に属しており、葉や球根をこするとニラのような香りがしますが、普段はその匂いはほとんど感じられません。
ハナニラは低い成長形態である点から、花壇の前縁やフェンス沿いでの使用に適しており、群生させることでその魅力を最大限に引き出せます。
6.シュウメイギク
シュウメイギクは、その優雅な白やピンク色の花が特徴の多年草で、初心者のガーデナーにとって非常に育てやすい植物です。寒さに強く、最大で80cm程度の高さに成長し、多年草のなかでも扱いやすい中型サイズに該当します。
この植物は生育が旺盛で耐陰性があるため、日陰の場所でもよく育つのが特徴です。そのため、日照条件が厳しい場所でもキレイな花が楽しめ、庭のさまざまな場所で彩をもたらします。
7.オダマキ
参考:宿根草(多年草)おすすめ20選|植えっぱなしで毎年咲く花 | マチュアリスト
オダマキは春の庭を彩る魅力的な多年草で、4月から6月にかけて美しい花を長期間楽しめます。この植物は特徴的な花の構造を持っており、花びらのように見える部分がガクであり、内側の筒状の部分が実際の花びらです。
また、色彩のバリエーションが豊かで庭に華やかな雰囲気をもたらします。ただし、オダマキはプロトアネモニンという毒性物質を含んでいるため、手入れの際にはゴム手袋を着用しましょう。
8.モナルダ
参考:植えっぱなしで毎年開花!庭や花壇におすすめの宿根草(多年草)45選 | LOVEGREEN(ラブグリーン)
モナルダは、その特徴的な花の形状から「タイマツバナ」とも呼ばれる美しい多年草のハーブです。赤い花の品種が最もよく知られていますが、現在では白やピンク、パープルなど多彩な色の品種が存在します。
また、非常に強健で、夏の暑さや冬の寒さにも強いため、ガーデニングにおいて扱いやすいのが特徴です。しかし、地下茎で増えるモナルダは、時間とともに広がっていく性質があるため、植える場所には注意してください。
9.アマドコロ
参考:宿根草(多年草)おすすめ20選|植えっぱなしで毎年咲く花 | マチュアリスト
アマドココロは、日本を含む東アジアが原産で、園芸品種には白い縁取りが特徴的なものがあり、その明るい雰囲気は和洋問わずさまざまなタイプの庭に適応します。
また、日陰でも育つため、光が届きにくい場所にも最適です。さらに、冬に地上部は枯れるものの、春になると新しい芽を出し、美しい白い花を咲かせます。これらの花は小さくつぼ型で、複数が下垂する姿が魅力的です。
10.ガイラルディア
参考:植えっぱなしで毎年開花!庭や花壇におすすめの宿根草(多年草)45選 | LOVEGREEN(ラブグリーン)
ガイラルディアは、赤や黄色など目を引く色彩の花を咲かせ、強い日差しのもとで美しさが際立ちます。近年は八重咲き種をはじめとする多くの新品種が市場に出ており、ガーデニング愛好家の間で人気を集めています。
ガイラルディアは品種によって花丈が異なるため、購入時にはプランツタグをチェックし、自分の庭や花壇に合った大きさのものを選びましょう。
11.アジュガ
アジュガは、春に美しい花を咲かせる多年草の一種です。さまざまな園芸種があり、葉の色を楽しめるのが大きな魅力のひとつです。
また、アジュガは日陰での育成に適しており、木陰や寄せ植えなどの環境に適しています。また、洋風の庭でのグランドカバーとして使用されるケースが多く、庭を鮮やかに彩ります。
12.エキベキア
参考:植えっぱなしで毎年開花!庭や花壇におすすめの宿根草(多年草)45選 | LOVEGREEN(ラブグリーン)
エキベキアは、ルドベキアとエキナセアの優れた特性を併せ持つ新しい多年草です。この交配種は、エキナセアの強健さとルドベキアの豊かな花付き、そして大きな花が特徴です。
また、さまざま品種があり、「エキベキア・エレクトラショック」は、その名のとおり鮮やかでエネルギッシュな印象の花で、ルドベキアに似た外見とエキナセアの耐久性を備えています。
13.エリゲロン
参考:宿根草(多年草)おすすめ20選|植えっぱなしで毎年咲く花 | マチュアリスト
エリゲロンは、その繊細な茎葉と小さな花が特徴の多年草でガーデンに自然な美しさをもたらします。この植物は広がるように成長し、細かく可憐な花を多く咲かせます。
ほかの派手な色合いの花やカラーリーフと組み合わせることで、その魅力をより引き立てることが可能です。とくに、カルビンスキアヌス種の「プロフュージョン」などの品種は、長い花期と容易な栽培が可能で、ガーデニング初心者にも扱いやすいのが特徴です。
14.サクシセラ・フロステッドパールズ
参考:植えっぱなしで毎年開花!庭や花壇におすすめの宿根草(多年草)45選 | LOVEGREEN(ラブグリーン)
サクシセラ・フロステッドパールズは、耐寒性を持ちながら夏の暑さにも強い、非常に丈夫な多年草です。この植物はマツムシソウ科に属し、夏から秋にかけて小さな球状の花を長期間にわたって咲かせ続けるのが特徴です。
生長すると高さは60~80cmに達し、条件が良ければ1m近くになる場合もあります。横幅も50cm以上に広がるため、広々とした空間や花壇の背後などに植えると、その存在感を存分に発揮します。
15.イベリス
参考:宿根草(多年草)おすすめ20選|植えっぱなしで毎年咲く花 | マチュアリスト
イベリスは常緑性があり、ほふく茎が地面をしっかりと覆い、優れたグラウンドカバーとして活躍します。石垣の縁取りや寄せ植えに用いると、その魅力が一層引き立ちます。
この植物は、寒さや暑さに強いですが、多湿の環境には向いていません。過湿は根腐れの原因となるため、水はけが良く、風通しの良い場所での栽培がおすすめです。適切な管理下では、春に美しい花を多く咲かせ、ガーデンに明るい雰囲気をもたらします。
ずっと咲き続ける花の多年草でよくある3つの質問
最後に、ずっと咲き続ける花の多年草でよくある質問について紹介します。
- 質問1.多年草の手入れの方法は?
- 質問2.多年草の冬越しの方法は?
- 質問3.多年草を植える時期はいつ?
それぞれについて詳しくみていきましょう
質問1.多年草の手入れの方法は?
多年草の手入れは、生育サイクルを理解することから始まります。花が咲き終わった後の花がらは、シーズン終了まで放置しても問題ありませんが、見栄えを良く保つためには切り戻しが効果的です。これにより、次の成長期に向けてエネルギーを蓄えられます。
また、基本的に多年草は植えっぱなしで問題はないものの、定期的な管理は必要です。鉢植えの場合は、根詰まりを避けるために植え替えが必要になります。庭植えの場合も、株が過密になると生育や花付きに影響が出るため、株分けや植え替えで株を活性化させるのがおすすめです。
質問2.多年草の冬越しの方法は?
関東以西の地域では、多くの宿根草を地植えのままで冬越しできます。ただし、寒冷地では、多年草を地植えのまま冬越しするのが難しい場合がほとんどです。
このような地域では、秋に植物を掘り上げ、鉢植えにして室内や軒下で保護することが推奨されています。これにより、植物が寒さによるダメージを受けることなく、春の到来と共に再び成長を始められます。
質問3.多年草を植える時期はいつ?
多年草を植える最適な時期は、一般的に厳しい真夏や凍結の危険がある真冬を避けた時期です。とくに、秋は多年草を植えるのに最適な季節であるとされています。
この時期に多年草を植えることにより、冬に入る前に根をしっかりと張り、春になれば健康的に新しい成長を始めることが可能です。
また、秋に植えた多年草は、春になると株が充実し、花を豊かに咲かせることが期待できます。この時期に根を張った植物は、病害虫への抵抗力が強くなり、夏の高温多湿にもより強い状態で臨めます。
まとめ
本記事では、多年草の概要や選び方、おすすめの多年草15選、よくある質問について紹介しました。
多年草は、一度植えると何年にもわたって開花期に花を咲かせる草花です。毎年、少しずつ株が大きくなり、数年後にはたくさんの花を咲かせるのが特徴です。また、種類も豊富で、開花期の違いや花の色、草丈などの工夫により、庭を鮮やかに彩ります。
一般的には、手間がかからない品種が多いですが、生育する環境には注意が必要です。植え付ける地域の環境に合わせて、耐寒性の強いものや、夏の暑さに強いものなどを選んでください。
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