防獣ネットの張り方は3ステップ|おすすめの動画やネットを選ぶ際のポイントをご紹介!
害獣に畑や家庭菜園などを荒らされ、困っている方もおられるのではないでしょうか。害獣対策は、適切な方法で実施しなければ期待する効果は得られません。
本記事では、防獣ネットの特徴や主な種類、選ぶ際のポイントについて解説します。また、防獣ネットを張る際に必要な道具や張り方、おすすめの動画についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
防獣ネットの特徴
防獣ネットはポリエチレンや金属を素材としており、その耐久性と強度により、長期間にわたっての使用が可能です。ただし、メッシュの大きさや形状は、対象となる動物の種類に応じて選ぶ必要があります。
なお、防獣ネットの設置は比較的容易であり、特別なスキルは必要ありません。そのため、農地や畜舎、公共施設、家庭の庭などさまざまな場所で使用されています。
メリット
防獣ネットは特別な工具や技術を必要としないため、手軽に設置が可能です。この利便性の高さが、迅速に対策を講じたい場合に有効で、時間や労力の節約にもつながります。
また、防獣ネットの耐久性はコストパフォーマンスの高さを示しています。初期投資を低く抑えながらも、長期にわたる獣害からの保護を実現できる点が大きなメリットです。
デメリット
広い範囲や複雑な地形への設置は時間と手間を要する作業となります。さらに、防獣ネットは強度が要求されるものの、強風や動物の攻撃によって破損するリスクもゼロではありません。これらの問題を防ぐためには定期的なメンテナンスが不可欠です。
また、防獣ネットが景観に与える影響も考慮する必要があり、とくに自然景観を重視する地域ではその影響が顕著になりがちです。
防獣ネットの主な種類は3つ
次に、防獣ネットの主な種類について解説します。
- ポリエチレンネット
- ステンレス綿入りポリエチレンネット
- 金属ネット
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.ポリエチレンネット
ポリエチレン製の防獣ネットは、耐久性と軽量性を兼ね備えており、注目すべきは、紫外線に強いという点です。長期間外に設置されるネットにとって、紫外線は大きな脅威となり得ますが、ポリエチレンネットはこの点で優れた耐性を示します。
さらに、水濡れによる損傷の心配が少なく、雨や湿度が高い環境でも性能を維持し、長期にわたり安定した保護を提供します。また、その軽量性により、一人でも扱いやすいという点もメリットです。
2.ステンレス綿入りポリエチレンネット
野生動物の攻撃に耐えられるように設計されており、軽量でありながらもステンレス線の強化が施されているため、耐久性に優れている点が大きなメリットです。
さらに、ステンレス線によって錆に対する抵抗力が高く、長期間にわたる使用が可能です。ただし、一般的なポリエチレンネットよりはコストが高くなるため、投資としての価値を考慮し、設置する環境や予算に応じて選択する必要があります。
3.金属ネット
ステンレスやアルミニウムなどの材質で作られているため、野生動物の鋭い爪や歯による損傷に強く、長期にわたって防護効果を維持します。しかし、高い耐久性と強度の代わりに、金属ネットはほかのタイプのネットに比べてコストが高くなる場合がほとんどです。
また、金属ネットはデザインが洗練されており、都市部での使用では周囲の環境を損なわずに獣害から保護できるというメリットもあります。設置には専門知識が必要なため、プロの施工業者に依頼する必要があります。
防獣ネットを選ぶ際の3つのポイント
次に、防獣ネットを選ぶ際のポイントを解説します。
- 対象動物を特定する
- 設置個所の距離や形状を把握する
- 動物の高さに合わせてネットの高さを選ぶ
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.対象動物を特定する
日本で問題となる野生動物にはイノシシやニホンジカ、アライグマ、ハクビシンなどがいます。これらの動物は農作物や庭を荒らすだけでなく、家屋に侵入して物品を破壊したり、病気を運んでくる可能性もあります。
そのため、防ぐべき具体的な動物の特定が防獣ネット選びには欠かせません。たとえば、イノシシやニホンジカには耐久性が高く強固な金属ネットやステンレス線入りネットが適しています。
一方、アライグマやハクビシンのように小さな動物には、細かいメッシュのポリエチレンネットが効果的です。
2.設置個所の距離や形状を把握する
農地や庭の広さ、地形の特徴を正確に理解することで、必要なネットの量や種類を決定できます。たとえば、広大な農地にはネットの張替えや補修のためにより多くのネットが必要です。
また、傾斜地や不規則な形状の場所では、余分なネットが必要になる場合があります。家庭菜園などの小規模な畑での使用では、設置が容易でサイズ調整が簡単なネットが適しています。
3.動物の高さに合わせてネットの高さを選ぶ
動物の身長やジャンプ力を考慮して適切な高さのネットを選択しましょう。たとえば、イノシシは約1mの高さを飛び越えられるため、イノシシを対象とする場合は最低でも1.2m以上の高さのネットが必要です。
一方、ニホンジカはさらに高く、1.5m程度の柵を容易に超えられます。したがって、シカを防ぐためには最低1.8m以上の高さのネットを選ぶ必要があります。
防獣ネットを張る際に必要な道具
防獣ネットを設置する際には、以下の道具を準備する必要があります。
道具名 |
用途 |
防獣ネット |
害獣から作物や庭を守るため |
支柱(杭) |
ネットを張る際に支えとなる重要な部材 |
ハンマー |
支柱を地面に打ち込むため |
ロープや結束バンド |
ネットと支柱をしっかりと固定するため |
メジャー |
支柱を設置する間隔を正確に測るため |
チョークや石灰 |
設置する支柱の位置を地面にマーキングするため |
U字ピン |
・ネットの下部を地面に固定する際に使用するため |
防獣ネットの張り方は3ステップ
次に、防獣ネットの張り方について解説します。
- ステップ1.杭を打つ
- ステップ2.ネットを張る
- ステップ3.ピンで固定する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
ステップ1.杭を打つ
設置するエリアを囲むように、1〜1.5mの間隔で杭を打ち込んでいきます。この際、防獣ネット専用の杭を使用するのがおすすめです。予算に応じて農業用パイプや竹も選択肢に入れられますが、竹は耐久性に劣る点を意識してください。
また、等間隔に杭を打つことが重要で、あまりに間隔が広いとネットがたるみ、獣が侵入しやすくなります。支柱を打ち込む際には、マーキングした場所を目安にし、ネットの高さに合わせて支柱の高さを調整してください。
支柱がしっかりと固定されるよう、地面には30cm〜50cm程度深く打ち込むのが理想です。さらに、風が強い地域では、支柱に筋交いを追加して強度を高めることも考慮しましょう。
ステップ2.ネットを張る
ネットは杭と杭の間に均等に張り、地面からの距離にも注意が必要です。ネットの下端を地面から30cm程度垂らし、そこを地面に固定することで、獣が下から侵入するのを防ぎます。
ネットはたるまないようにしっかりと張り、結束バンドや適切な固定材を使って各支柱に固定していきます。このとき、ネットが均一に張られているか確認し、隙間が生じないように注意深く作業しましょう。
とくにネットと地面との間は、獣が侵入しやすい部分のため、固定は丁寧に実施し、ネットが地面にしっかりと接触しているか確認してください。
ステップ3.ピンで固定する
地面にネットを固定するためにU字ピンを約30cmの間隔で打ち込むと、ネットがしっかりと地面に固定され、動物が下から潜り込むのを防げます。ネットの下端を地面にしっかりと押し付け、その上から土をかぶせると、さらに固定力が増します。
作業を進めるにあたっては、地面とネットの間に隙間が生じていないか注意深く確認しましょう。ネットと地面の接触が不十分だと、動物が侵入するリスクが高まります。
防獣ネットの張り方でおすすめの動画
次に、防獣ネットの張り方でおすすめの動画を紹介します。
- 農業と園芸の専門店・農業屋チャンネル
- 瀬戸内市公式チャンネル
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.農業と園芸の専門店・農業屋チャンネル
参考:農業と園芸の専門店・農業屋チャンネル|【施工解説】防獣用ワイヤーメッシュ柵の施工方法
農業と園芸の専門店・農業屋チャンネルでは、イノシシやシカ対策として有効な「ワイヤーメッシュ柵」の施工方法について解説されています。
この動画では、作業における注意点やポイントがわかりやすく解説されており、初心者でも動画を参考に「ワイヤーメッシュ柵」の施行ができるようになります。また、支柱を埋める間隔や深さなども数字でわかりやすく解説されているため、真似がしやすいのもポイントです。
2.瀬戸内市公式チャンネル
瀬戸内市公式チャンネルの「防護柵を設置する際のポイント」では、鳥獣から農作物などを守るために、防護柵を設置する際の有効な方法とポイントをわかりやすく紹介しています。
この動画では、防護柵の設置方法だけではなく、効果的に農作物を守るための方法も紹介されているため、ほかの設置方法に関する動画などと併用して参考にするのがおすすめです。
防獣ネットの張り方でよくある3つの質問
最後に、防獣ネットの張り方でよくある質問をご紹介します。
- 質問1.獣が寄り付かないようにするポイントは?
- 質問2.防獣ネット以外におすすめの対策方法は?
- 質問3.防獣ネットを張った後に必要なことは?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.獣が寄り付かないようにするポイントは?
獣が寄り付かないようにするためには、以下のポイントを押さえておくと効果的です。
-
畑の周辺に食べ物を放置しない
野菜や果物など、獣が食べられるものを畑の周辺に残さないようにする。不要になった食べ物は適切に処理し、獣の誘引源にならないように注意する
-
動物が好まない作物を混植する
強い香りの作物は獣を遠ざける効果がある。唐辛子やシソ、生姜、ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニクなどは、イノシシやシカが敬遠する傾向にある
質問2.防獣ネット以外におすすめの対策方法は?
防獣ネット以外にも、害獣対策に有効な方法がいくつか存在します。主な方法は以下のとおりです。
-
電気柵
害獣が触れた際に電気ショックを与えることで侵入を防ぐ方法。太陽光発電式やAC式など、さまざまなタイプがあり、適切な管理のもとで使用すれば効果的な対策となる
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メッシュフェンス
鋼鉄やスチール製のメッシュフェンスは、強度が高く、イノシシのような力の強い動物の侵入も防げる。防錆加工が施されている製品を選べば、長期間にわたる使用が可能となる
これらの方法を選択する際には、対策したい害獣の種類や、設置環境に合わせた適切な製品を選びましょう。また、電気柵は適切な設置と定期的なメンテナンスが必要となり、メッシュフェンスは専門的な知識を要するため、専門業者に依頼するのが望ましいです。
質問3.防獣ネットを張った後に必要なことは?
防獣ネットを張った後に必要なことは、定期的なメンテナンスとネットの状態をチェックすることです。害獣は非常に機敏であり、ネットが若干傷んでいるだけで侵入が可能です。
したがって、ネットに破れや損傷がないか定期的な確認が欠かせません。とくに悪天候の後は、ネットが緩んでいないか、支柱がしっかりしているかチェックしましょう。
土がやわらかくなると、害獣が支柱を動かしてネットを乗り越える可能性があります。また、地面に固定している部分が掘り起こされていないかもチェックしておく必要があります。
まとめ
本記事では、防獣ネットの特徴や主な種類、選ぶ際のポイント、防獣ネットを張る際に必要な道具や張り方、おすすめの動画について紹介しました。
防獣ネットはポリエチレンや金属でできており、耐久性の高さと強度により、長期間にわたって使用が可能です。ただし、メッシュの大きさや素材、設置する高さなどは、害獣の種類に応じて変わります。
これらを適切に理解し、正しいネットの張り方を実践することで、畑や家庭菜園などが荒らされるリスクを軽減できます。ぜひ、この記事を参考に、防獣ネットの設置にチャレンジしてみてください。
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