【初心者向け】イチジク(無花果)の育て方のポイントは7つ|収穫時期や栽培に適した環境まで徹底解説!
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「イチジクの育て方がわからない」「収穫時期はいつ」など、イチジクの育て方について疑問をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
この記事では、イチジクの特徴や収穫時期と主な品種、育て方のポイントについて解説します。また、剪定方法や挿し木で増やす方法、育て方がわかるおすすめの動画について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
イチジク(無花果)の特徴とは?
イチジク(無花果)は、2〜5mの高さに成長する落葉低木の果樹で、特有の甘さと食感が魅力の果物です。世界には200以上の品種が存在し、それぞれ収穫時期や味、形状が異なります。
また、イチジクは受粉作業が不要で栽培が比較的に簡単で、植えてから2年目には収穫が可能になる場合が多いです。家庭の庭でも育てやすく少量ずつ実が熟すため、長期間にわたって収穫の楽しみがあります。
イチジクの収穫時期と主な品種
イチジクの収穫時期は主に夏から秋にかけてで、品種によって「夏果専用種」「秋果専用種」「夏秋兼用種」の3つに分類されます。
夏果専用種
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ザ・キング
6月〜7月に収穫でき、大きな実と20%前後の糖度が特徴。梅雨時に収穫するため、品質にばらつきが生じる
秋果専用種
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蓬莱柿(ほうらいし)
9月〜11月に収穫できる。耐寒性と乾燥耐性に優れ、日本の在来種であるため、収穫量が豊富である
夏秋兼用種
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ドーフィン(桝井)
初夏の6月〜7月と秋の8月〜10月に収穫が可能。日本で広く栽培されており、育てやすさと実持ちの良さが魅力
イチジクの栽培に適した環境
次に、イチジクの栽培に適している環境について解説します。
- 日当たり
- 用土
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.日当たり
庭での植栽には、日のよく当たる南向きの位置が理想的です。しかし、風が強い場所は避けなければなりません。また、鉢植えで育てる場合も十分な光の確保が必要で、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
さらに、気温が10℃以上の日は鉢植えを屋外に出して日に当てることが、成長を促します。イチジクの栽培には日照条件に加えて、適切な温度管理と風からの保護が不可欠です。
2.用土
イチジクの栽培に適した用土は、良好な水はけと保水性を兼ね備えた肥沃な土壌です。イチジクはややアルカリ性の土を好むため、酸性を好むブルーベリーなどと同じ場所での栽培は推奨されていません。
鉢植えでの育成を考える場合は赤玉土や鹿沼土、腐葉土をそれぞれ3割、砂を1割加えた配合土が最適です。また、市販の花と野菜用の培養土を7割、赤玉土を3割混ぜた用土もおすすめです。
イチジクの育て方のポイントは7つ
次に、イチジクの育て方のポイントを7つ紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.土づくり
イチジクには、水もちと水はけの良い土づくりが欠かせません。鉢植えを選択する場合、ハイポネックス培養土のような鉢植えやプランター専用の土がおすすめです。
これは、イチジクが必要とする栄養分と土壌の条件を理想的にするためです。一方、地植えにする場合は、植え付ける予定の地面を深く掘り返し、腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込む必要があります。
2.品種選び
イチジクは自身の花粉で受粉して実をつける自家結実性があるため、1本だけで実をつけられます。また、基本的には暖地を好みますが耐寒性に優れ、北海道南部のような寒冷地でも育成可能な新品種も開発されています。そのため、お住まいの地域の気温を考慮し、それに適した品種を選択するのがおすすめです。
世界には200種類以上のイチジクの品種が存在し、それぞれに独特の特性があります。地域の気候に適応する品種を選んだ後は、味や実の大きさ、収穫期などの好みに応じて選んでみてください。
3.植え付け
植え付けに最適な時期は11月〜3月にかけてです。寒冷地では、春先に植えることで凍害を避けられます。鉢植えの際は鉢の半分程度に土を入れた後に苗木を配置し、残りの土で周囲を覆い隙間を埋めます。
地植えする際は50cm程度の穴を掘り、深植えにならないよう苗木をセットしましょう。鉢植えでも地植えでも、植え付ける前に苗木の根鉢を崩すことにより、根が新しい土にしっかりと馴染み、健康的な成長を促進します。
4.水やり
屋外のイチジクは基本的に自然の雨により十分な水分を得ますが、乾燥期には土の状態を見て追加の水やりが必要です。また、夏の高温期には注意が必要で、土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
一方、室内の鉢植えで育てる場合は定期的な水やりが必要なため、土の表面が乾いたら底から水が流れ出るまでしっかりと水を与えましょう。
5.肥料
イチジクは栄養を豊富に必要とする生育旺盛な植物なため、適切な肥料管理が収穫のポイントになります。植え付けする際は、有機肥料(油かすなど)を元肥として土に混ぜ込みましょう。
また、生育期間中の6月〜8月には、緩効性肥料(堆肥)を使用して追肥を行い、植物の成長を促進します。秋の9月〜10月にかけては「おいしい実をありがとう」という感謝を示すお礼肥を施し、植物がこれまでの成長を維持できるように手入れが必要です。
6.芽かき
剪定後は春に新芽が多く現れます。そのため、5月〜6月にかけて結果枝となる芽を選んで残し、それ以外は摘み取ります。とくに、上向きに成長する弱い芽や密集しすぎている芽は除去し、横向きや下向きで健全に成長する芽を優先して残しましょう。
芽かきは、葉が2枚から3枚開いた初期段階ではじめ、葉の展開に合わせて数回に分けて実施します。これにより、イチジクの適切な成長と実の品質を確保します。
7.植え替え
一般的には2年ごとの植え替えが必要で、適期は休眠期にあたる11月〜3月です。定期的な植え替えにより土の通気性を良くし、根詰まりを防止します。
植え替えの際は株の根を優しく取り出し、根の外側を約3分の1程度カットしてから新しい鉢へ移します。植え替えに使用する土は、栄養価の高い新鮮な培養土を用いるようにしましょう。
イチジクの剪定方法
次に、イチジクの剪定方法について解説します。
- 剪定時期
- 仕立て方
- 品種による剪定方法の違い
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.剪定時期
イチジクの剪定は、休眠期の12月〜2月の時期に実施します。夏果をつける品種では、前年に成長した枝が実をつけるため、剪定の際に切り過ぎないように注意しましょう。
秋果がつく品種に関しては、春に成長する新しい枝が果実をつけるため、前年の枝は剪定しても問題ありません。また、夏果と秋果の両方をつける品種では、枝が込み合う部分や過剰に伸びた枝を剪定し、植物全体のバランスを取りながら、夏果をつける枝を慎重に扱う必要があります。
2.仕立て方
イチジクの仕立て方には「一文字仕立て」という方法があります。この方法は、実の収穫をしやすくしたり、実に養分が均等にめぐるようにしたりする効果があります。
なお、一文字仕立ての手順については、以下のとおりです。
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将来の主枝を決める
植え付けから1年目の春の終わり(5月頃)、新梢が伸びてきたら、主幹の両側に1枝ずつ残し、そのほかの芽は摘み取る
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主枝の誘引
主枝を地面と平行になるように支柱で誘引し、冬の剪定期まで成長させる。2年目の冬には、枝を20cmの間隔で間引き、主枝の先端は少し上向きになるように調整する
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3年目以降の管理
この時期は、多くの芽が出てくるため、これらを水平に伸びるようにさらに誘引する。この一連の手順により、イチジクは適切に成長し、高品質な果実をつけやすくなる
3.品種による剪定方法の違い
イチジクの剪定方法は品種によって異なり、とくに「秋果専用種」と「夏秋兼用種」の扱いに注意が必要です。それぞれの剪定方法については、以下のとおりです。
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秋果専用種
新梢を2〜3芽残して切り詰める方法が適している。秋に実をつける枝は春に伸びるため、冬の剪定で新梢を切り詰めても影響は無い
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夏秋兼用種
夏果がつく枝の保全が重要なため、一部の新梢は1〜2本残し、ほかの枝は2〜3芽残して切り詰める。夏果が枝の先端につくため、すべてを切り詰めると夏果を失ってしまう
品種に応じた剪定方法により、イチジクの健康的な成長と豊富な収穫につながります。
イチジクを挿し木で増やす方法
次に、イチジクを挿し木で増やす方法について解説します。
- 準備するもの
- 挿し木の方法
- 挿し木苗の育て方
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.準備するもの
イチジクを挿し木で増やす際はいくつかの準備が必要です。主な準備物としては、以下が挙げられます。
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清潔な刃物
枝をカットするために使用し、病気の予防のために消毒が必要
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水を入れる容器
切った枝を一時的に保管するために使用する
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挿し床
挿し穂を挿すための土で、肥料を含まないものが望ましい。使用する土は新しいものが理想的で、古い土は避け、清潔さが保証されていることが重要
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保水性のある土
赤玉土や鹿沼土などは保水性が高く、挿し木に適している
これらを揃えておくことで、イチジクを挿し木で増やすことが可能になります。
2.挿し木の方法
イチジクの挿し木におすすめなのは3月〜4月です。使用する挿し穂は前年に成長した枝で、長さは20cm〜25cm程度で、芽の1cm程度上をカットしてください。
挿し穂には3つの芽を残し、下部を斜めに、上部を水平にカットします。挿し穂の下部を水に浸して乾燥を防ぎ、用意した挿し床に植えます。挿し木をした後は、土が乾かないように適宜水やりを行ってください。
剪定した枝を挿し穂に使う場合は剪定時期と挿し木の時期の差を考慮し、冷蔵庫で適切に保管することが重要です。切り口から出る白い汁は洗い流し、水分を含んだ新聞紙で包んで保管します。
3.挿し木苗の育て方
挿し木で育てたイチジクの苗は、日陰でゆっくりと管理することが大切です。苗が発根し、強健になるまでには時間が必要で、土の乾燥を避けるために水やりが欠かせません。
また、霜が降りる時期には、苗をビニール袋で覆って保温することで、寒さから守ります。苗の葉が成長し、株が活発に生長しはじめたら、鉢植えや地植えに移す適切なタイミングです。
イチジクは成長が早く、植え付け後すぐに収穫期を迎える場合が多いです。植え付けた苗が健康に成長し、甘い果実をつけるまで愛情を持って育てましょう。
イチジクの育て方がわかるおすすめの動画3選
次に、イチジクの育て方がわかるおすすめの動画を紹介します。
- カインズ公式チャンネル
- 園芸農家イシヅキちゃんねる
- 藤井農園
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.カインズ公式チャンネル
ホームセンターのカインズが運営しているカインズ公式チャンネルでは、イチジクの栽培方法について詳しく紹介されています。
この動画では、イチジクの特徴やお手入れのポイントについてわかりやすく紹介されているため、はじめてイチジクを育てる場合に、参考になる動画の1つです。
また、動画の内容については「となりのカインズさん」でも閲覧することができるため、より詳細な内容を知りたい人は、そちらで確認するのもおすすめです。
参考:無花果(いちじく)|特徴や栽培方法などくわしく解説【解説動画付き】 | となりのカインズさん
2.園芸農家イシヅキちゃんねる
園芸農家イシヅキちゃんねるの動画では、イチジクの剪定方法について詳しく解説されています。内容としては、2年目の1本棒苗の剪定や3年目以降の剪定のポイント、一文字仕立ての剪定など、イチジクの剪定方法を中心とした内容で構成されています。
また、剪定しないとどうなるのかという点についてもわかりやすく解説されているため、剪定について深く知りたいという方は、ぜひ動画を確認してみてください。
参考:園芸農家イシヅキちゃんねる|【必須】イチジクに実を成らせる春の剪定を園芸農家が実演解説!
3.藤井農園
藤井農園は、大阪府羽曳野市で主にイチジクとトマトを栽培・販売している農園です。その豊富な経験から、YouTubeにてイチジクの栽培方法を解説しています。
この動画では、日々の管理に関するポイントや芽かきについて詳しく解説されています。イチジクの栽培がはじめての方にとっては、非常に参考になる内容になっているため、気になる方はぜひ動画をチェックしてみてください。
参考:藤井農園|【いちじく栽培】ルーティン管理、定植2年目の芽かきのポイント!
イチジクの育て方でよくある5つの質問
最後に、イチジクの育て方でよくある質問について解説します。
- 質問1.育てやすいイチジク(無花果)の品種は?
- 質問2.イチジク(無花果)を早く熟させる「オイリング」とは?
- 質問3.イチジク(無花果)がかかりやすい病害虫は?
- 質問4.イチジクは一本でも実がなる?
- 質問5.イチジクの苗を植える時期はいつ?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.育てやすいイチジク(無花果)の品種は?
育てやすいイチジクの品種として、日本では「桝井ドーフィン」が有名です。この品種は日本の気候に適応しやすく、家庭での栽培に最適な特性を持っています。
しかし、イチジクは本来亜熱帯地域の植物で、寒さには比較的弱い性質があります。そのため、寒冷地での栽培を考えている場合は「蓬莱柿(ほうらいし)」のように耐寒性のある品種を選ぶことが大切です。
耐寒性品種は厳しい冬の条件下でも健康に成長しやすく、イチジク栽培の成功率を高められます。
質問2.イチジク(無花果)を早く熟させる「オイリング」とは?
オイリングとは、イチジク(無花果)の成熟を1週間から10日程度早める伝統的な方法です。この技術には、古代ギリシアやローマ時代まで遡る長い歴史があります。
実践するには、イチジクの果実の先端が赤みを帯びはじめた時点で、細いストローやスポイトを使って、果実のくぼみに植物油を1〜2滴ほど滴下します。使用する植物油はオリーブオイルや菜種油、ごま油などが適していますが、果皮にオイルを直接かけないように注意してください。
オイリングの効果の背後にある正確なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、一般的にはオイルが果実に作用してエチレンガスの放出を促し、これが成熟を加速させると考えられています。
質問3.イチジク(無花果)がかかりやすい病害虫は?
イチジク(無花果)は、特定の病害虫によって影響を受けやすい植物であり、テッポウムシはイチジクにとって大きな脅威です。この害虫は樹木の内部を食い荒らし、樹を弱らせることで知られています。
幹に小さな穴が開き、そこから木くずのような排泄物が見られる場合、テッポウムシの被害を受けている証拠です。被害を確認した場合、穴に針金を差し込んで虫を物理的に除去したり、適切な薬剤を注入して駆除したりする必要があります。
質問4.イチジクは一本でも実がなる?
イチジクは、ほかの品種との交配なしで1本だけでも実をつけることが可能です。日照条件が良ければ、単独でも豊かに結実し手軽に栽培を楽しめます。
また、イチジクは亜熱帯原産であるにもかかわらず耐寒性に優れており、関東地方以西の多くの地域で地植えが可能です。また、鉢植えでの栽培を選べば、東北地方のような寒冷地でも越冬できます。
質問5.イチジクの苗を植える時期はいつ?
イチジクの苗木を植えるのに最適な時期は、11月から3月にかけてです。この時期にイチジクを植えることで、苗木は根をしっかりと張り、春の成長期に備えられます。
また、寒冷地では凍害を避けるため、春の植え付けが望ましいです。鉢植えの場合は、鉢に土を半分入れ、苗木を置いて残りの土で固定します。
地植えする場合は50cm程度の穴を掘り、深植えにならないように注意が必要です。どちらの場合も、苗木の根鉢を崩してから植えることで、苗木は新しい環境に順応しやすくなります。
まとめ
この記事では、イチジクの特徴や収穫時期と主な品種、育て方や剪定方法、おすすめの動画について紹介しました。
イチジク(無花果)は、2〜5mの高さに成長する落葉低木の果樹で、世界には200以上の品種が存在します。また、イチジクは栽培が比較的容易であり、2年目には収穫が可能になるケースが多いです。
家庭の庭でも育てやすい果物であるため、この記事を参考に、イチジクの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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